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ウェブ解析士は40代Web担当者に必要?数字だけでは改善できない現場の現実

数字が良くても改善が進まない40代Web担当者がウェブ解析士の必要性を考えるイメージ

「40代からWeb解析を学んでも、今の仕事に役立つのだろうか。資格を取ってからでないと始められない?」

Web解析(アクセス解析)は、ホームページの数字を見て、次に何を確かめ、どこを改善するか考えるためのものです。資格取得を先に決める必要はありません。まずは、手元のアクセス報告書で「どのページが読まれ、問い合わせなどにつながっているか」を確認するところから始められます。

ホームページのアクセス数は悪くない。

上司も「この数字なら十分だ」と評価している。

でも、実際の現場からは「もっとこうした方が使いやすい」「ここを改善できないだろうか」という声が聞こえてくる。

その意見を取り入れようと提案しても、費用や制作会社の都合、社内のさまざまな条件が壁になる。

数字が良いことと、ホームページが十分に役立っていることは、必ずしも同じではありません。

40代・50代で会社のホームページを担当していると、こうした難しさに直面することがあります。

そこで気になるのが「ウェブ解析士」という資格です。

数字を理解できるようになれば、もっと改善提案ができるのではないか。制作会社の説明も判断しやすくなるのではないか。

でも、時間とお金をかけて学ぶ価値は本当にあるのでしょうか。

結論から言うと、ウェブ解析士は全員に必要な資格ではありません。しかし、数字を根拠に改善を考え、社内や制作会社と話し合う立場の人には、学ぶ価値があります。

ただし、資格を取れば提案が通るわけではありません。

今回は実際の現場で感じた難しさも交えながら、ウェブ解析士を学ぶ意味と、資格を取得する前に考えたいことを紹介します。

数字が良くても、ホームページ改善が進まない理由

大切なのは、すべての意見を実現しようとするのではなく、実現可能性と優先順位を見極めることだと思います。

上司が満足している数字と、現場の課題は違う

私自身、仕事の中で感じていることがあります。

上司が今の数字を良いと判断していれば、それ以上の成果を目指そうという話になりにくいのです。

現場の声を聞いて、「こんな改善ができないだろうか」と提案することもあります。

しかし、実現するには多くの条件があります。

例えば、現場では情報を探しにくいと感じていても、現在のホームページに十分なアクセスがあれば、すぐに予算をかけて直す必要があるとは判断されないかもしれません。

ここで難しいのは、どちらかが必ず間違っているわけではないことです。

上司は費用対効果や会社全体の優先順位を見ています。

現場は日々の使いやすさや、お客様から寄せられる声を知っています。

改善を前に進めるには、この2つの視点を結びつける必要があります。

外部の制作会社に依頼しても、簡単には変更できない

もう一つ、実際に感じるのが外部制作会社との関係です。

改善案を相談しても、思ったように対応してもらえず、融通が利かないと感じることがあります。

制作会社側にも契約範囲、システムの制約、作業工程などの事情があるのでしょう。

ただ、依頼する側としては、現場の希望よりも制作する側の判断が優先されているように感じる場面があります。

では、ほかの制作会社へ変更すればよいのでしょうか。

それも簡単ではありません。

ホームページの移行には、デザインやシステムの作り直し、データ移行、動作確認などの費用が発生する可能性があります。

現在の契約内容によっては、管理権限やデータの引き継ぎを確認する必要もあります。

結局、改善したい気持ちがあっても、時間と費用を考えて見送ることがあります。

こうした経験から感じるのは、ホームページ改善には、Webの知識だけでなく、予算・契約・社内調整を含めた判断が必要だということです。

ホームページ改善が進まない原因となる上司の判断、制作会社の制約、予算と時間の3つの壁
改善案があっても、実行には社内判断や外部制作会社との調整が必要になる。

40代・未経験はWeb解析を何から始める?

資格取得を決める前に、今の仕事で確認したいことを1つ決めてみてください。

  1. 目的を1つ決める。例:問い合わせを増やしたい。
  2. アクセス報告書で、読まれているページと問い合わせなどの成果を見る。
  3. 原因を決めつけず、次に確認したい点と改善案を1つ書く。
  4. さらに学びたいと感じたら、独学・動画・資格講座を比較する。

たとえば、商品ページは読まれているのに問い合わせが増えないなら、アクセスを増やす前に、問い合わせボタンや案内が分かりやすいかを確認します。数字から次の確認を考えることも、Web解析を仕事に使う一歩です。

使うのは閲覧を許可された報告書や公開の学習用データにし、会社のルールを守って試してください。

ウェブ解析士を学ぶと、何が変わるのか?

ウェブ解析士は、一般社団法人ウェブ解析士協会が認定する資格です。

Webサイトのアクセス解析だけでなく、事業目標の設定、マーケティング施策、数字を使った改善提案、レポート作成などを体系的に学びます。

公式テキストでは、Webの基本的な指標から事業戦略、分析の設計、改善、報告まで幅広く扱っています。

ここで注目したいのは、数字を集計することより、その数字をどう仕事の判断につなげるかです。

数字を「報告」から「改善提案」に変える

例えば、アクセス数が前月より増えたとします。

「アクセス数が増えました」という報告だけでは、次に何をすべきか判断できません。

一方、次のように整理できたらどうでしょう。

  • アクセス数は増えた。
  • しかし、問い合わせ数はほとんど変わっていない。
  • 特定の商品ページには訪問者が集まっている。
  • 問い合わせへの案内が分かりにくい可能性がある。

この場合、さらに広告を増やす前に、ページの案内を確認するという選択肢が生まれます。

もちろん、アクセス解析の数字だけで原因を断定することはできません。

しかし、「何となく直したい」から「この数字が気になるので確認したい」へ変わることには意味があります。

アクセス解析の基本を知りたい方は、関連記事「アクセス解析はどこを見る?報告書の数字だけでは分からないWeb改善のヒント」も参考にしてください。

制作会社との話し合いにも使える

制作会社との相談でも、数字を理解していると依頼内容を具体的にできます。

例えば、

「問い合わせページをもっと見やすくしてください」

と依頼するだけでなく、

「商品ページから問い合わせへの移動が少ないようなので、現在の導線を確認し、改善可能な範囲と概算費用を教えてください」

と伝える方法です。

実際に計測できている範囲を確認したうえで、改善の目的と優先順位を共有します。

それでも、予算が承認されなかったり、制作会社が対応できなかったりすることはあります。

ウェブ解析士の知識があれば何でも解決するわけではありません。

ただ、依頼する側が課題と目的を説明できることは、判断材料を増やすことにつながります。

費用をかけずに試せる改善から始める

会社のホームページを変えるには予算が必要なこともあります。

だからこそ、最初から大きなリニューアルを目指さなくてもよいと思います。

例えば次のように、改善を3段階に分けます。

改善の段階具体例
① 現状を調べるアクセス数、問い合わせ数、現場の意見を整理する
② 小さな改善を提案する契約上変更できる範囲で、文章や案内の見直しを相談する
③ 費用のかかる改善を検討するフォーム改修、システム変更、制作会社の変更などを比較する

実際にどこまで自社で変更できるかは、契約内容や管理権限によって異なります。

大切なのは、すぐに制作会社を変更することではなく、今の環境でできることと、費用をかけなければできないことを分けることです。

自分のサイトでどこを直すか整理したい方は、アクセス解析後のWeb改善チェックリストで、入口・ページ内の導線・問い合わせ前の不安を順に確認できます。まずは、手を付けられそうな箇所を1つ選んでみてください。

特に外部制作会社へ相談するときは、対応できない理由、概算費用、代替案を確認しておくと、社内でも判断しやすくなります。

外部へどこまで任せるか迷っている方は、「Web集客を自社だけで進めるのが難しい理由」でも考え方を整理しています。

Web改善を現状把握、小さな改善、費用対効果の判断という3段階で進める図解
大きな改修の前に、現在の環境で試せることを整理する。

ウェブ解析士が必要な人・急がなくてよい人

資格を取得するかどうかは、今の仕事と今後の目標で判断したいところです。

こんな人判断
アクセス数を報告するだけの担当者まずは基本的な数字の読み方からで十分
改善案を上司へ説明する担当者体系的な学習が役立つ可能性が高い
制作会社の見積もりや提案を判断する担当者Web改善の考え方を学ぶ意味がある
Webマーケティングの仕事へ進みたい人資格と並行して実務経験も積みたい
資格取得だけで収入アップを期待する人取得後の活用方法を先に考えるべき

特に40代・50代の兼任Web担当者は、制作そのものより、社内と外部の間で調整する仕事を担うこともあります。

そのような立場なら、ウェブ解析の知識を持つことが仕事の幅を広げるきっかけになるかもしれません。

一方、資格だけで評価が上がったり、転職が有利になったりする保証はありません。

今の仕事や転職に、学んだことをどう示す?

社内での役割を広げたいときも転職を考えるときも、資格名だけでなく「何を確認し、どんな改善を考えたか」を記録しておくと、学んだことを説明しやすくなります。目的、見た数字、仮説、提案、実施結果や実現しなかった理由を短くまとめてみてください。

外部に経験を伝える場合は、会社名・顧客情報・非公開の数字を伏せ、実施したことと提案にとどまったことを分けて説明しましょう。

AI時代、ウェブ解析士に求められる力も変わっている

2026年10月15日、ウェブ解析士協会は、2027年のカリキュラム・試験を「DXリテラシー標準」に対応させる予定だと発表しました。

DXリテラシー標準とは、デジタル技術を仕事に活かすために、幅広い社会人が身につけたい知識や考え方を示したものです。

また、協会は2027年度の資格認定について、生成AIを活用しながらデータを分析し、仕事の改善や判断につなげる能力を重視する方向で見直しを進めています。

これは、ウェブ解析士を検討する人にとって注目したい変化です。

AIを使えば、集計やグラフ作成、レポートの下書きなどを効率化できる場面が増えています。

しかし、上司がなぜ現状に満足しているのか、制作会社との契約をどうするか、どの改善に予算を使うべきかといった判断は、AIが自動で決められることではありません。

AIが数字をまとめ、人間がその数字をもとに関係者と話し合い、次の行動を決める。

そうした役割を意識することが、これからのWeb担当者には重要になると考えます。

※2027年度の認定方式や費用には、2026年10月時点で協議中の項目があります。確定した制度と区別して確認してください。

参考:ウェブ解析士協会|2027年度資格制度・価格改定のお知らせ 参考:ウェブ解析士協会|2027年からDXリテラシー標準に対応

ウェブ解析士の資格取得にはいくらかかる?

資格取得費用は2026年度の公式案内をご確認ください。

2026年度の公式案内
項目費用(税込)
公式テキスト4,400円
認定試験17,600円
認定講座(任意)11,000円
テキスト+試験22,000円
テキスト+講座+試験33,000円

取得後に資格を維持する場合は、年会費などの条件も確認が必要です。2027年の有資格正会員の年会費は6,600円(税込)と案内されています。

これだけの費用をかけるなら、やはり「資格を取ったあとにどう活かせるか」を考えたいところです。

2027年度には認定制度と費用の変更が検討されているため、受験時点の最新条件も確認してください。

詳しい費用の内訳と受講方法は、別記事「ウェブ解析士の費用は高い?講座・試験料と40代が受講前に確認すべきこと」で紹介しています。

本で学ぶ?動画で学ぶ?自分に合う方法を選ぶ

資格取得を急ぐ必要がなければ、まずは基本を学んでから判断する方法もあります。

本で体系的に学びたい方

ウェブ解析士の受験を目指すなら、協会の公式テキストが基本になります。

公式テキスト2026(第17版)は、2026年度の認定試験に対応した教材です。

デジタルマーケティングの基本、アクセス解析、改善提案、レポーティングなどを体系的に学べます。

参考教材:ウェブ解析士 認定試験公式テキスト2026(第17版)

問題集は、試験対策として問題演習をしたい方向けです。実務の基礎を学ぶ段階で、最初からテキストと問題集の両方をそろえる必要はありません。

動画を見ながら学びたい方

Googleアナリティクスなど、実際の操作を画面で確認したい方には、Udemyの動画講座も選択肢になります。
文章だけでは分かりずらい場合は、解説付き動画で学習すると理解が早くなります。

「Googleアナリティクス」「GA4」「Web解析」といった言葉で、自分のレベルに合う講座を探せます。

ただし、Udemyの一般的な動画講座は、協会のウェブ解析士認定講座と同じものではありません。

まとめ|資格を取る前に、仕事を一つ改善できるか考えてみよう

ウェブ解析士は、40代・50代のWeb担当者全員に必要な資格ではありません。

しかし、数字を見て改善の必要性を考えたり、社内や制作会社に説明したりする仕事では、学ぶ価値があります。

私自身、現場で改善案を考えても、上司の判断や外部制作会社の対応、費用面の問題によって実現しないことを経験しています。

そのため、Webの知識があればすべて解決できるとは思っていません。

ただ、何を改善したいのか、なぜ必要なのか、どのくらいの費用や効果が見込めるのかを整理できれば、話し合いの材料は増やせます。

資格を取得することだけがゴールではありません。

今までの仕事経験に、数字を読み、改善を考える力を加えていく。

そのための学び直しとして、ウェブ解析士が自分に必要かどうかを考えてみてはいかがでしょうか。

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