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会社のホームページを担当していると、制作会社から定期的にアクセス報告を受けることがあります。
「今月のアクセス数はこちらです」
「このページがよく閲覧されています」
数字は分かる。グラフもある。
でも、報告書を見終わったあと、こんな疑問が残りませんか?
「それで、何を改善すればいいの?」
アクセスが増えれば、それで成功なのでしょうか。反対に、減ったらホームページを作り直さなければいけないのでしょうか。
私は、仕事で外部制作会社からアクセス総数や閲覧ページ数を中心とした報告を受けてきました。しかし、実際には数字が分かるだけで、改善の方向性が見えるとは限りません。
この記事では、専門的なアクセス解析の知識がないWeb担当者に向けて、まず確認したい3つの項目と、制作会社へ確認すると役立つ質問を紹介します。
アクセス数が分かっても、改善策が見つからない理由
閲覧数を増やしてきたのに、状況が変わった
私が関わった会社のホームページでは、以前、SNSなどの外部情報への案内も活用し、顧客に役立つ情報を充実させていました。
しかし、法改正などを受けて情報の根拠をより厳しく確認する必要が生じ、以前のようには掲載できない情報も増えました。その後、サイトの閲覧数が減少しました。
ホームページも、企業の強みを大きく打ち出す内容へと変わっていきました。会社として、強みや価値を伝えることは大切です。
ただ、以前と比較して問い合わせも減っている状況を見ると、一つ疑問が生まれます。
「会社が伝えたい情報と、お客様が知りたい情報は一致しているのだろうか?」
もちろん、掲載内容の変更が閲覧数や問い合わせ減少の直接の原因とは限りません。検索環境や競合、顧客の関心など、ほかの要因も考えられます。
だからこそ、アクセス総数だけではなく、何が変わったのかを調べる必要があるのです。
数字が良いと評価されても、改善の余地はある
上司が現在の数字に満足している場合、それ以上の改善を進める理由を説明するのは簡単ではありません。
さらに、ホームページを外部制作会社に任せている場合は、改善にも制約があります。
変更に費用がかかる。対応まで時間がかかる。制作会社側の方針や契約範囲によって対応できないこともある。
ほかの制作会社へ移行するにも、少なくない費用がかかる可能性があります。
だからといって、改善を諦めるしかないわけではありません。まずは、「本当に改善が必要な場所」と「今の環境でも変更できること」を分けて考えたいところです。
アクセス解析で最初に見るべき3つの項目
アクセス解析には、さまざまな専門用語があります。しかし、最初からすべて覚える必要はありません。
会社のホームページを改善したいなら、まずは次の3つを確認します。
① どこから人が来ているのか
最初に確認したいのは、訪問者の流入元です。
例えば、検索エンジンから来ているのか、SNSからなのか、メルマガからなのか。
アクセス総数が減ったとしても、どこからの訪問が減っているかで対策は変わります。
SNSからの訪問が減っているなら、外部情報への案内が変わった影響を調べる価値があります。検索からの訪問が減っているなら、検索される言葉やページの掲載順位に変化がないかを確認します。メルマガからの訪問が少ないなら、配信内容やクリックされる案内文を検討する必要があります。
まず、減っている入口を見つける。それだけで次に確認することが絞られます。
② どのページが読まれているのか
次に確認したいのは、閲覧されているページの内容です。
私が関わったホームページでは、以前は顧客向け情報を充実させていましたが、その後、企業の強みを打ち出す内容へ変化していきました。
そこで知りたいのは、単に閲覧数が多いページではありません。
- 以前はどんな情報がよく読まれていたのか。
- 現在はどのページに訪問が集まっているのか。
- 顧客がサービスを選ぶために必要な情報はあるのか。
例えば、会社の技術力を紹介するページは充実していても、顧客が知りたい料金、利用方法、申し込みまでの流れが見つけにくい可能性もあります。
もちろん、これは仮説です。実際に読まれているページや問い合わせの内容を照らし合わせて確認する必要があります。
③ 問い合わせなどの成果につながっているのか
最後に確認したいのは、訪問者が目的の行動をしたかどうかです。企業のホームページなら、問い合わせ、資料請求、商品購入などが成果になります。
ここで考えたいのが、次の違いです。
| サイトの状態 | 次に確認したいこと |
|---|---|
| アクセスも問い合わせも減った | 訪問者が減った影響が大きいのか |
| アクセスは変わらず問い合わせが減った | ページ内容や申し込み導線に変化がないか |
| アクセスは増えたが問い合わせは横ばい | 顧客が求める情報と流入の質が合っているか |
アクセス数だけが増えても、問い合わせや購入につながらなければ、会社にとって期待した成果とは言えない場合があります。一方で、問い合わせ数だけでサイト全体の価値が決まるわけでもありません。
まずはホームページの目的を明確にし、それに合う成果を確認することが大切です。

問い合わせまでのどこで止まったかを分けて見る
問い合わせが少ないときは、「人が来ていない」「来ているがボタンを押していない」「ボタンを押したあと、フォームの途中で止まっている」を分けて考えます。
入口の問題なら流入や案内を、クリックの問題ならリンク位置や言葉を、フォームの問題なら入力項目や説明を確認します。確認できる範囲は計測設定によって異なるため、制作会社には、どこまで数字で確認できるかを聞いてみましょう。
制作会社のアクセス報告書に何を追加してもらう?
自社でGoogleアナリティクスを操作できなくても、制作会社からの報告内容を見直す方法はあります。
例えば、次のような質問です。
| 制作会社への質問 | 知りたいこと |
|---|---|
| 検索・SNS・メルマガ別の訪問数は分かりますか? | どの入口から訪問者が減っているのか |
| 前年同月と比較できますか? | 一時的な変化か、継続的な変化か |
| よく読まれているページに変化はありますか? | 顧客の関心が変わっている可能性 |
| 問い合わせ数と訪問数を比較できますか? | 訪問者の減少と成果の減少を区別する |
| 改善を一つ試すなら何が候補ですか? | 実施内容と必要な費用を整理する |
追加の分析や計測設定には費用がかかる場合があります。
そのため、最初から詳細なレポートを要求するのではなく、現在の計測データから追加費用なしで確認できる範囲を聞くのが現実的です。
また、過去に計測していなかった数値は、後から完全に取得できるとは限りません。
自分で確認するならGA4とSearch Console
制作会社へ任せきりにせず、自分でも確認したい場合は、次の2つを知っておくと便利です。
GA4|訪問者はどこから来て、何を見たか
Googleアナリティクス4(GA4)は、ホームページを訪れた人の動きを確認するためのツールです。
一般的な画面では、以下のレポートから確認できます。
- レポート → 集客 → トラフィック獲得:検索やSNSなどの流入元
- レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン:閲覧されているページ
会社のGA4にアクセスできる権限が必要です。メニュー構成は設定によって異なる場合があります。
問い合わせ送信などの成果を確認するには、その行動が正しく計測されていることも必要です。
Search Console|検索結果で何が起きているか
Google Search Consoleでは、Google検索でどのように表示され、クリックされているかを確認できます。
例えば、検索結果で表示される回数は増えているのに、クリックが少ない場合。記事タイトルや、検索した人が期待している情報とのずれを見直すきっかけになります。
ただし、Search Consoleの表示回数はホームページ内の閲覧ページ数ではありません。別の数字なので混同しないようにしましょう。
公式解説:
アクセスを増やすために、費用をかけずに試せること
私自身、ホームページの閲覧数を伸ばす方法を考えていても、何が成果につながるのか判断しにくいと感じています。
外部制作会社へ改善を依頼すれば費用が発生する場合もあります。その費用に見合う結果が得られるか分からなければ、社内で予算を確保することも難しくなります。
だからこそ、最初から大きなリニューアルを提案するより、小さな改善を一つ試す方が現実的です。
メルマガの案内文を具体的にする
例えば、次の2つの案内を比べてみてください。
変更前
「新しい情報を掲載しました。ぜひご覧ください。」
変更後
「商品を選ぶ前に確認したい3つのポイントをまとめました。」
後者は、クリックした先で何が分かるのかを想像しやすくなります。
ただし、必ずクリック数が増えるとは限りません。件名や配信先などの条件をできるだけそろえ、クリック率の違いを確認することが大切です。
メルマガ経由のサイト訪問をGA4で区別したい場合は、適切な計測用URLの設定も検討できます。
よく読まれていた内容を、現在の基準で作り直す
法令や社内の情報掲載基準によって、以前のような情報を掲載できなくなる場合もあります。
だからといって、顧客に役立つ情報を提供することまで諦める必要はありません。
例えば、根拠の不明確なSNS投稿に依存する代わりに、公式資料や自社で確認できる事実をもとに、顧客の疑問を解決する内容へ作り直す方法も考えられます。
顧客が知りたい内容を、根拠のある情報で伝える。
これは、今後の企業サイトにも重要な考え方です。なお、実際にどの情報を掲載できるかは、適用法令や自社の審査基準を確認する必要があります。

比較するのは、同じ条件で見た自社の変化
「アクセス数が何件なら正解か」だけで判断せず、まず自社の同じ指標を、期間や計測条件をそろえて比較します。
たとえば問い合わせが月2件から4件になれば、件数が増えたことは分かります。ただし、訪問数や季節、配信内容なども変わっている可能性があります。1回の増減だけで改善の効果を断定せず、前後の条件も一緒に確認しましょう。
成果につながったページの共通点を探す
改善点だけでなく、問い合わせや申込みにつながったページにも目を向けてみましょう。どんな悩みに答えているか、タイトルや案内の言葉は分かりやすいか、どこから訪問され、どこに次の行動へのリンクがあるかを確認します。
うまくいった理由を仮説として整理すると、ほかのページで試す改善案を考えやすくなります。同じ形にすれば必ず成果が出るわけではないので、小さく試して結果を確かめます。
変更内容と結果を短く記録する
改善を試したら、「変更した日」「変更した内容」「その後の結果」をメモ帳やスプレッドシートに残します。比べた期間や見た指標も添えておくと、後から振り返りやすくなります。
例えば、案内文を変えたのか、ボタンの位置を変えたのかを分けて記録します。何を試したかが分かれば、うまくいった方法を続けるか、別の改善を試すかを考えやすくなります。
改善に予算を使うか迷ったら
例えば制作会社から、ホームページの大幅な変更を提案された場合。
いきなり「高いからできない」「改善できるなら依頼しよう」と判断するのではなく、次の点を確認したいところです。
何が課題なのか。どの数字を改善したいのか。実施後にどう効果を測るのか。
費用対効果を完全に予測することはできませんが、少なくとも目的が曖昧なまま予算を使うことは避けられます。
社内で改善提案をまとめる方法は、関連記事「Web改善案を上司に伝える社内プレゼンの方法」でも紹介しています。
また、具体的な改善箇所を整理するなら「アクセス解析後に何を直す?Web改善チェックリスト」が参考になります。
アクセス解析をもっと学びたい方へ
ホームページの数字を自分でも理解したいと感じたら、少しずつ学んでいく方法があります。専門的な分析をいきなり覚える必要はありません。
まずはGA4やSearch Consoleの基本操作を知り、自分のサイトで数字を確認するところから始めてみましょう。
体系的に学ぶことを考えるなら、関連記事「ウェブ解析士は必要?40代Web担当者が実務と費用から考える」も参考になります。
Web分析やGA4の操作を動画で学びたい方は、Udemyで自分に合う講座を探す方法もあります。※一般のUdemy講座はウェブ解析士協会の認定講座ではありません。
まとめ|アクセス数を増やす前に、見るべき数字がある
制作会社からアクセス報告を受けていても、数字を見るだけでは改善は進みません。
私自身、ホームページの閲覧数や問い合わせが減るなかで、何を変えれば成果が出るのか判断する難しさを感じてきました。外部制作会社への依頼には、費用も時間もかかります。
だからこそ、最初に確認したいのは次の3つです。
どこから来たのか。何を読んだのか。成果につながったのか。
この3つが分かれば、制作会社へ何を質問すればよいのか、どこから改善を試すべきかが少しずつ見えてきます。
アクセス解析は、難しい数字を覚えるためのものではありません。
限られた時間と予算の中で、次に何をするかを決めるための道具です。
まずは次のアクセス報告書で、いつもと違う項目を一つ確認してみてください。


